プログレス・テクノロジーズは、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage) に関する研究開発に取り組んでいます。
地球温暖化のリスクが一般に認知されはじめたのは、1980年代後半でした。それから約20年という歳月を経て今ようやく、地球温暖化対策の必要性が世界的に認識されはじめています。
地球温暖化対策には、ハイブリッドカーや省エネ家電といった製品レベルから太陽光発電やスマートグリッドといったインフラレベルまで、様々な対処策が講じられています。しかしながら、増加し続ける温室効果ガスの排出量に対し、対処策はまだまだ不足しているのが実情です。
その中においてCCSは、実効的な対処策として注目されています。
CCSとは Carbon dioxide Capture and Storageの略で、火力発電所等から従来、大気中に放出されているCO2を分離・回収し、地中に埋めてしまおう(貯留)というものです。
日本語では二酸化炭素地中貯留という表現になります。
我々は現在、地中に貯留されている石油を採掘し、エネルギーとして活用していますが、CCSはそこで発生する温室効果ガスをもとの場所、つまり地中に戻すという発想で研究が進められています。石油は「キャップロック」と呼ばれる地層によってフタをされている状態で地中に貯留されていますが、その原理を利用しようというものです。
バクテリアを使って地中に貯留したCO2をエネルギーに再生させる、という構想も語られています。
CCSは世界的にみて、まだ国家単位での実証実験段階にありますが、欧米諸国を中心に実用化が進んでおり、2015年を目途に本格的な商業化に移っていくと想定されています。
我々は地球の恩恵を授かり、日々生活しています。また科学・技術による産業の発達が我々の生活を豊かにしています。その一方で、産業の発展が地球温暖化の要因となっているのも事実です。
プログレス・テクノロジーズの根底には、「ワクワクするテクノロジーを探せ!」というキーワードがあります。科学・技術の力によって、温暖化という地球レベルの課題を解決することに一役担うことは、まさに会社として、技術者として存分に存在意義を発揮できることだと考えます。
CCSでは、CO2の分離・回収技術、地中に圧入するための技術、また貯留されたCO2の挙動モニタリング技術 など、幅広い分野での研究が進んでいます。
その中において、プログレス・テクノロジーズは、地中に圧入したCO2がどのような挙動をするかをシミュレーションし、漏洩防止の観点から貯留層の安全性を評価するという研究を推進しています。
本研究は東京大学と協同で推進しており、産学連携で価値ある成果を生み出すことを目指しています。
2011年4月3日から4月8日にオーストリアのウィーンで開催された EGU2011-European Geosciences Union General Assembly 2011(ヨーロッパ地球科学連合総会)にて本研究の一部、流体シミュレータの高速化に関する成果を発表しました。
| URL | http://meetings.copernicus.org/egu2011/home.html |
|---|---|
| セッション | Energy, Resources and the Environment Carbon Capture and Storage (CCS) Modelling of CO2 storage sites |
| テーマ | Accelerating of the reservoir simulation by the GPU |
本研究はJOGMECの石油・天然ガス開発・利用促進型大型研究事業にて実施しています。
CCSの研究に携わっているプログレス・テクノロジーズのメンバーをご紹介します。

システムLSIのフロントエンド設計(仕様検討からRTL設計、論理検証、実機検証など)を経て、現在はCCSのプロジェクトマネジメントを行っています。
これまでは主に人の生活を豊かにするための製品を作っていましたが、現在は地球の未来を創ることに関わっているという自負があります。製品開発と違って、設計仕様書や決まったプロセスがないため非常に難しいことが多いですが、自分達で考えて進めることができる自由があるとも言え、やりがいも大きいです。会社の新規事業として先陣を切っていることもあり、責任も重大ですが毎日とても充実しています。
また、私のキャリアプランに沿ってプロジェクトマネジメントという役割を任せてもらっており、スキルアップにも繋がる非常に有意義な経験が出来ています。

学生時代に数値流体力学について研究を行っており、入社後はLSIのテスト回路の設計、科学技術計算によるシミュレータの開発・高速化などに携わってきました。
CCSにおいて、長期間における地中の二酸化炭素の挙動を把握することは非常に重要ですが、それには膨大なシミュレーション時間が必要となります。この問題を解決するため、現在私はシミュレータの高速化に取り組んでいます。
経験が浅いうちからこうした社会に貢献でき、かつ技術的にも最先端のプロジェクトに携われることに、非常に大きな意義を感じています。新しいことへの挑戦は、未知の部分もたくさんありますが、これらをチームの力で切り開いていく楽しみがあります。